(病院・クリニックの方へ:外来で患者さんに実際に配布しているものです。著作権フリーでご自由に使用していただいて結構です。)
手術や縫合処置をした後、通常は1〜2週で抜糸をします。
抜糸と同時に診察も終了になる診療科が多いと思います。
しかし、抜糸後もきずあとは、刻々と修復作業を続けています。
修復作業は術後3ヶ月以内が特に活発であり、この時期に、きずあとが開く方向に引っぱられたり(皮膚の張力)、擦れて刺激が加わったりすると、きずあとが赤く、固く、幅が広がり、盛り上がりやすくなります。
(ちなみに修復作業が終了し、きずあとが白く柔らかくなるのに半年〜1年かかります。白くなったきずあとは「成熟瘢痕(せいじゅくはんこん)」と呼ばれます。)
また赤みのあるきずあとは、紫外線(UV)を吸収すると黒ずみやすくなります(炎症後色素沈着と呼ばれます)。
この「盛り上がったきずあと」のことを医学用語で「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と呼びます。一般的には「ミミズバレ」とも呼ばれています。
抜糸後のきずあとに
サージカルテープ(=肌色テープ)
を貼ると、この肥厚性瘢痕を予防し、きずあとをきれいに治すことができます。
【きずあとにテープを貼る目的】
① きずあとにかかる皮膚の張力を減らすことができます。
② きずあとの擦れを予防します。
③ 紫外線をブロックします。
【サージカルテープの種類】
下の写真はニチバンのサージカルテープ・ハダです。
幅が
- 細いもの(12mm)
- 太いもの(25mm)
があり、きずあとの大きさにあわせて使い分けます。顔や指は細いもの、それ以外は太いものが使いやすいです。
3Mのマイクロポア スキントーン サージカルテープも同様の機能があります。3Mのほうがニチバンよりもテープの色が明るいのが特徴です。Amazonでは3Mのサージカルテープが1個単位から購入が可能でした(ニチバンは箱買い)。
【サージカルテープの貼り方】
きずあとにたいして垂直に重ね張りします。
【貼付後の管理】
普段は湯船につけても大丈夫です。タオルでふくとすぐに乾きます。
通常は2〜3日ごとにテープの張り替えをします。かゆみがでたり、周囲が剥がれてくるようなら早めに交換してもOKです。
その際、いきなりテープを剥がすのではなく、泡石鹸でふやかしながら剥がすと、きずあと&周囲の皮膚にやさしいです。
【貼付期間】
きずあとの修復作業が活発な術後1〜3ヶ月以内はテープの貼付をおすすめします。テープかぶれをする場合は、2〜3日貼付を休んでから再開するとよいです。それでもかぶれてしまう場合は主治医に相談しましょう。