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【新型コロナ】新型コロナワクチン接種後の発熱や頭痛には何を飲めばいいの?

 

 



「新型コロナワクチン接種後の副反応ってどれぐらいの確率なの?」

 

 

新型コロナ(COVID-19)のワクチン接種が、日本でも高齢者を中心に急速に進んでいます(2021年6月初旬現在)。

私は医療従事者なので

2021年4月初旬にはワクチンの2回目の接種を完了しましたが、

2回目の接種の翌日に、

  • 全身倦怠感(重力が2倍になったかのような全身のだるさ)
  • 発熱(37.9°)

の症状がでました(翌日には回復しました)。

私の周りの医療従事者でも頭痛が1週間続いたり、40°近い発熱がでた人がいました。

 

新型コロナワクチン接種後の副反応はどのぐらいの確率でおこるのでしょうか?

 

副反応の出現率は、

  • 1回目の接種後は20%程度と少なく、
  • 2回目の接種後に50%以上に跳ね上がります。

厚生労働省が公開した

「日本で先行接種した医療従事者2万人のデータ」

をみると、

新型コロナワクチン2回目接種後の副反応の種類と出現率は以下のようになります。

  • 発熱: ≧37.5° 38%  (3%)
  • 全身倦怠感   69%(23%)
  • 頭痛                54%(21%)

※ 「接種部の腕の痛み」は1回目、2回目に関わらず90%以上の人に生じるため、ここではそれ以外の副反応に焦点を当てています。(カッコ)内の数字は1回目接種後の副反応の%になります。

また、

  • 男性<女性
  • 高齢者<若年者

つまり若年の女性で副反応の出現率が高く副反応の程度も重い傾向にあることがわかりました。

特に重症なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックは100万回接種中72件とのことです。

新型コロナワクチンの目的は、新型コロナウイルスにたいする武器(抗体:こうたい)を体内でつくることです。

そのため、

副反応が起きている=体が頑張って抗体を作っている

という証拠でもあります。

 

 

「新型コロナワクチン接種後の熱や頭痛の際には何を飲めばいいの?」

 

そうはいっても、

発熱、全身倦怠感、頭痛

を我慢し続けるのはとってもつらいですよね。

これからワクチンを接種する予定の外来患者さんから

「新型コロナワクチン接種後の熱や痛みには何を飲めばいいの?」

とよく聞かれます。

答えは、

解熱鎮痛薬(げねつちんつうやく)

です。

 

「解熱鎮痛薬ってなに?」

 

 

解熱鎮痛薬はその名前のとおり、

  • 解熱 = 熱を下げる
  • 鎮痛 = 痛みをおさえる

2つの作用を併せ持った薬のことです。

なんで解熱と鎮痛が一緒になっているかというと、

熱を上げるのも、熱に伴ってでる痛み(頭痛、関節痛など)を引き起こしているのも、体のなかにある「プロスタグランジン」という物質が原因なんです。

現在、広く使われている解熱鎮痛薬の多くは、このプロスタグランジンが体内で作られるのをブロックすることによって解熱&鎮痛をおこなっています。

 

 

「解熱鎮痛薬にはどんな種類があるの?」

 

解熱鎮痛薬で有名なのはこの2種類。

  • 非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs:エヌセイズと呼びます)

→ 病院:ロキソニン、イブプロフェン、アスピリン、ボルタレン

→ 市販:ロキソニンS、EVE A錠EX、など

  • アセトアミノフェン

→ 病院:カロナール、アセトアミノフェン

→ 市販:タイレノール、ノーシン、など

 

「ワクチン接種後に熱や痛み(炎症)がでるのは、体が抗体を作っていることによる反応なのに、解熱鎮痛剤でその炎症を抑えてしまっていいのか?」

と不安になる方もいると思います。

NSAIDsとアセトアミノフェンでは、その作用機序の違いからアセトアミノフェンの方が炎症を抑える力が弱いとされています。そのため、ワクチン接種後の解熱鎮痛薬としてアセトアミノフェンのほうがよいのではないか、という議論があります。しかし、明確な根拠があるわけではなく、日本の厚生労働省とアメリカ疾病対策センター(CDC)は、下記のようにNSAIDsを含めた解熱鎮痛薬の使用を推奨しています。

  • 厚生労働省:

解熱鎮痛剤の使用OK

  • アメリカ疾病対策センター(CDC):

NSAIDsを含む解熱鎮痛剤の使用OK

としています。

もともとNSAIDsやアセトアミノフェンにアレルギーがあったり、主治医から使用を止められていない限り、ワクチン接種後の熱や痛みに対して、NSAIDsを含む解熱鎮痛剤の使用はOKとの認識で大丈夫です。

 

「解熱鎮痛薬は市販で買えるの?」

結論としては買えます。

一般的には、市販で買える解熱鎮痛薬は病院で処方されるものと比較して、成分の含有量が少ないことが多いです。

病院で処方されものと比較して効果は落ちますが、

ワクチン接種後に症状がでた段階で病院受診の問い合わせとしても

「ワクチンの副反応の可能性が高いので、自宅にて安静とクーリングで様子をみてください。」

と言われる可能性が高いです。

かかりつけの先生がいるようなら、事前に解熱鎮痛薬を処方してもらえるか相談しても良いかもしれません。

ただ、定期通院をしていない多くの方は、市販で購入可能な解熱鎮痛薬を救急箱にストックしておいたほうが安全・安心と思います。

 

  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

→ 病院:ロキソニン、イブプロフェン、アスピリン、ボルタレン

→ 市販:ロキソニンS、EVE A錠EX、など。

 

  

 

  • アセトアミノフェン

→ 病院:カロナール、アセトアミノフェン

→ 市販:タイレノール、ノーシン、など。

 

 

※今回、混乱を避けるために薬剤名を最も代表的なものにしぼって紹介しましたが、もともと頭痛持ちで、バファリンやセデスがよく効きます、というような人はワクチン接種後の副反応で頭痛がでた際も、飲み慣れている同薬を服用したほうがよいです。

 

 

「新型コロナワクチンをうつ前に、自宅に準備しておいたほうがよいものは?」

 

(1)解熱鎮痛薬:市販のものでも、かかりつけ医から処方されたものでも可です。

(2)弁当やレトルト食品:副反応がでて辛いときに買い物にいかなくて済むように。

(3)保冷材やアイスバッグ

※仕事をしている人は、特に2回目の接種後は休みがとれるような仕事調整、もしくはワクチン接種日の選択が必要だと思います。



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