Key Point Summary
ペンレステープ: 注射や処置をする部位に事前に貼ると痛みを最小限にできる局所麻酔シールのこと。
注射や処置の1時間前に貼付する。
個人購入はできないので、医師に処方してもらう。
医師が処方ができる疾患が限られている。
Q & A
あやこ
ペンレステープってなんですか?
局所麻酔薬であるリドカインを含んだ含んだ透明なシールのことだよ。例えば注射前に貼っておくと、注射時の痛みが無くなる(or 軽くなる)よ。
ドクター
あやこ
すごいっ!どこで買えるんですか?
残念ながら個人購入はできないよ。あくまでも局所麻酔薬なので、医師の指示がないと使用できないことになっているよ。
ドクター
どんな時に医師に処方してもらえるの?
① 静脈留置針を穿刺する場合(透析など)
- 静脈留置針で穿刺をする際の痛み予防としてペンレステープは処方可能です。
- 透析の患者さんは、週2〜3回の透析時に毎回穿刺をします。1回の透析で穿刺部は2か所なので、ペンレステープを2枚貼ることになります。
- 注意点:前回と同じ位置に貼らない(位置をずらす)、皮膚トラブルがおこっている部位には貼らない。
透析クリニックでは、ペンレステープを処方していることが多いと思いますが、まだ処方されていないようであれば担当の先生に相談してみよう!
ドクター
② 水いぼの処置前
- 水いぼ(正式には伝染性軟属腫といいます)を除去する際の疼痛予防でもペンレステープは使用できます。
伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和におけるペンレスの使い方と保険請求
水いぼは小さい子供によくできる。1回の処置では完治しなくて、何回も通院処置しないといけないことが多いよ。少しでも痛みを少なくしてあげたいよね。ペンレステープを処方してもらえるか皮膚科の主治医に相談してみよう!
ドクター
③ 皮膚レーザーの照射前
- 皮膚レーザーのなかでも、色素性皮膚病変(太田母斑、扁平母斑、異所
性蒙古斑、外傷性色素沈着症)と血管腫(単純血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症)に照射する場合のみ、事前に処方が可能です。
あやこ
皮膚レーザーって保険が効く場合と効かない場合がありますよね?
そう。上の疾患は保険が効くよ。ペンレステープも保険の範囲内で処方ができる。一方でペンレステープは、美容レーザー(シミ除去など)の前処置でもよく使用されているよ。その場合、保険が効かないので、1枚100〜200円で自費購入するシステムになっている美容クリニックが多いよ。
ドクター
1回で何枚まで貼れるの?
- 成人には1回6枚まで、小児には下記枚数まで。
いつ貼付するの?
- 注射や処置の1時間前に貼付します。
下のグラフをみると、血清中のリドカイン濃度は貼付してから2時間程度でピークをむかえるよ。これはあくまでも血清中のリドカイン濃度なので注意が必要だよ。貼付部の皮膚に最大効果が発揮されるのはもう少し前(貼付後、1時間程度)ということになるね。
ドクター
Step by Step
ペンレステープの実際の貼り方と注意事項を解説するよ。
ドクター
■ Step 1
- 施術予定(予約時間)の1時間前にペンレステープを貼付する準備をします。
- 準備物品:ハサミ、サージカルテープ
ドクター
1時間貼付し、剥がした後は1~2時間麻酔効果が持続するよ。ただし、麻酔効果はあまり長時間は持続しないので、ペンレステープを剥がした後はすぐに処置が始められるように逆算する必要があるね。
■ Step 2
- ペンレステープを病変部に合わせた大きさ(水いぼでは1個あたり1×1cm程度、レーザーでは照射予定範囲)に切って、フィルムを剥がして貼付します。
- ペンレスの使い方(マルホ株式会社)
■ Step 3
- 汗をかくとテープが剥がれ、麻酔効果が薄れるため、処置するまでは、なるべく涼しい部屋で静かに過ごすといいです。
- 剥がれやすい場合は、上から紙テープ(サージカルテープ)などで補強するとよいです。