キズの処置&ケア

【キズの処置&ケア】抜糸って痛いの?痛みを減らすコツと事前準備

小野真平(形成外科専門医)

小野 真平(おの しんぺい) 日本医科大学 形成外科 形成外科専門医 ケガやきずは、突然起こるととても不安ですよね。 私は大学病院で手や足の外傷、やけどなど幅広いケガの治療を専門に行っています。 患者さんが少しでも安心して治療を受けられるよう、わかりやすく正確な医療情報をお届けしています。 正しい応急処置を知っていただくことで、ケガの悪化を防ぎ、より早くきれいに治すお手伝いができればと思います。

【キズの処置&ケア】抜糸って痛いの?痛みを減らすコツと安全な受け方

本記事は形成外科専門医監修のもと作成した一般的な医療情報です。 記載内容はあくまで参考であり、症状や経過は人によって異なります。わからないことがあれば必ず医師に相談してください。
ドクター

 

まのか
抜糸は痛いんですか?

  • 外来でよく患者さんから聞かれる質問です。
  • 実際、抜糸の痛みは工夫次第で大きく減らすことができます。
  • ここでは、抜糸が痛くなる原因と、事前にできる準備や対策をわかりやすく解説します。

 

1. 抜糸の痛みの原因

  • 抜糸で痛みを感じるのは、多くの場合、糸の周りに付着した血のかたまりやかさぶた(血糊)が原因です。
  • 糸が皮膚に強くくっついていると、糸を引く際につっぱり感や痛みが出やすくなります。

💡 ポイント

糸自体を引っぱらなければ痛みは少なく、

血糊やかさぶたをしっかり落としておくことが痛み軽減につながります。

 

2. 痛みを減らすための事前準備

① 毎日、患部を泡石鹸でやさしく洗う

  • 抜糸前は、泡タイプの石鹸でやさしく洗いましょう

  • 縫合部と糸のまわりの血糊や汚れをできるだけ落としておくことが大切です。

  • 強くこすらず、泡で包み込むように洗うと安心です。


② 冷却で痛みをやわらげる

  • 抜糸の直前に保冷剤や冷タオルで患部を冷やすと、痛みが軽減します。

  • 特に手のひらや足の裏は感覚が敏感なので、冷却をしておくと安心です。


③ 気分が悪くなりやすい人は事前に申告

  • 過去に抜糸時に気分が悪くなったことがある人は、必ず医師や看護師に伝えましょう。

  • ベッドに寝た状態で抜糸してもらうことで、安全に処置が受けられます。

過度の痛みや恐怖により迷走神経反射というのがおこると顔が真っ白になって気分が悪くなってしまう患者さんがいるよ。
ドクター

 

3. 抜糸当日の流れ(一般的な外来)

  1. 傷口を洗浄(または患者さん自身が来院前に洗っておく)

  2. 糸の結び目を小さく切る

  3. 糸を軽く引き抜く

  4. 消毒や保護テープを貼って終了

多くの場合、5分程度で終了します。

糸を引っぱらないように丁寧に処置することで、痛みは最小限になります。

 

4. 家庭で使える便利アイテム

  • 抜糸前後のケアをスムーズにするために、家庭で準備しておくと便利なアイテムをご紹介します。

【泡タイプの低刺激石鹸】

泡で出てくるので泡立ての手間がないよ。洗浄力もいいよ。
ドクター

 

【保冷剤】

水筒のような形状をしているので外来にも持って行きやすいよ。
ドクター

 

 

まとめ

  • 抜糸の痛みは糸の周りの血糊や汚れが原因

  • 泡石鹸で優しく洗い、清潔にしておくことで痛みを減らせる

  • 手のひらや足裏は痛みが強いが、冷却で和らげられる

  • 気分が悪くなりやすい人は事前に医師へ申告し、寝た姿勢で抜糸がおすすめ

正しい準備をして臨めば、抜糸はほとんど痛みを感じずに安全に受けられます。

 

参考文献

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小野真平(形成外科専門医)

小野 真平(おの しんぺい) 日本医科大学 形成外科 形成外科専門医 ケガやきずは、突然起こるととても不安ですよね。 私は大学病院で手や足の外傷、やけどなど幅広いケガの治療を専門に行っています。 患者さんが少しでも安心して治療を受けられるよう、わかりやすく正確な医療情報をお届けしています。 正しい応急処置を知っていただくことで、ケガの悪化を防ぎ、より早くきれいに治すお手伝いができればと思います。

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