【キズの処置&ケア】キズパワーパッドは万能じゃない!正しい使い方と受診が必要なケース
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【はじめに】キズパワーパッドは湿潤療法の絆創膏
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キズパワーパッドは、モイストヒーリング(湿潤療法)を応用した絆創膏です。
かさぶたを作らず、湿った環境で皮膚を再生させることで、早く・きれいに治るのが大きな特徴です。 -
しかし、すべてのきずに適しているわけではありません。
使用する場所を間違えると、化膿や悪化の原因になることがあります。 -
この記事では、「貼っていいきず」「貼ってはいけないきず」をわかりやすく整理して解説します。
貼っていいきず(自宅でケアできるケース)
- 以下の条件を満たすきずであれば、キズパワーパッドを使用しても問題が生じることは少ないです。
貼っていいきず | 理由 |
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出血が止まった軽いすり傷 | 湿潤環境が皮膚再生を助け、跡が残りにくくなる |
靴ずれ・衣擦れなど浅い表層のきず | 感染や異物混入のリスクが低い |
水ぶくれがない軽度のやけど(赤みとヒリヒリ感のみ) | 組織の損傷が浅く湿潤環境で回復しやすい |
透明な浸出液が少量だけ出ているきず | 適切に水分を保持することで治癒が早まる |
💡 チェックポイント
次の3つをすべて満たす場合のみ使用しましょう。
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出血がない
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膿や濁った浸出液がない(透明でサラサラ)
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きずが新しい(できてから1日以内)

キズパワーパッドは様々な部位・大きさのきずに使用できる
貼ってはいけないきず(病院を受診すべきケース)
- 以下のようなきずにキズパワーパッドを使うと、感染や重症化の恐れがあります。
貼ってはいけないきず | 理由 |
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出血が20分以上続いて止まらない | 太い血管が損傷しており、縫合や止血処置が必要 |
深いきずや創縁が大きく開いている | 閉創処置(縫合)が必要 |
砂利・ガラスなど異物が入り込んでいる | 感染リスクが高く、医師による洗浄・除去が必要 |
動物に噛まれたきず | 雑菌が深く入り込み感染症の危険性が高い |
赤く腫れて熱を持っている | すでに感染しており、抗生剤や切開が必要 |
湯たんぽ・熱湯によるやけど | 表面は軽く見えても深部が壊死していることがある |
きずができてから数日経って膿が出ている | 細菌感染が進行しており、密閉すると悪化する |
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応急処置の手順
- キズパワーパッドを貼る前には必ず基本の応急処置を行いましょう。

まずは水道水で洗浄を
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流水で2〜3分以上洗う
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石鹸は不要、水道水で異物をしっかり流す
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清潔なガーゼで圧迫止血
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出血が止まるまでしっかり押さえる
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パッドを貼る
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完全に止血したら清潔な手で貼る
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交換は1〜2日おき
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はがれない限り無理に交換しない
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異常があればすぐ受診
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赤く腫れる、膿が出る、強い痛みがあるときは受診を
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家庭で備えておきたいアイテム
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【キズパワーパッド】
まとめ
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キズパワーパッドは浅いきず・感染リスクが低いきずに効果的
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出血が止まらない、深いきず、感染が疑われる場合は絶対に使わない
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正しい判断と応急処置で、早く・きれいに治すことができる
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迷ったら無理せず医師に相談を
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参考文献
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日本形成外科学会. 「創傷治療ガイドライン」
https://www.jsprs.or.jp/ - Derma Sciences, Inc. "Moist Wound Healing: Benefits and Clinical Evidence."
Journal of Wound Care, 2019.