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【役立つ医療情報】患者さんにやさしい手術を目指して―最新4K3D手術システム「ORBEYE(オーブアイ)」とは?

小野真平(形成外科専門医)

小野 真平(おの しんぺい) 日本医科大学 形成外科 形成外科専門医 ケガやきずは、突然起こるととても不安ですよね。 私は大学病院で手や足の外傷、やけどなど幅広いケガの治療を専門に行っています。 患者さんが少しでも安心して治療を受けられるよう、わかりやすく正確な医療情報をお届けしています。 正しい応急処置を知っていただくことで、ケガの悪化を防ぎ、より早くきれいに治すお手伝いができればと思います。

はじめに

  • 手術は患者さんにとってとても大切な治療のひとつです。

    そのため、より安全で精密な手術を行うために、医療機器も日々進化しています。

  • 最近では、手術室に「ORBEYE(オーブアイ)」という最新の手術支援システムが導入され始めています。

  • このシステムは、術者がより見やすく、負担が少ない環境で手術を行えるようサポートし、患者さんにとっても安心・安全な手術につながる技術です。

 

ORBEYE(オーブアイ)とは?

  • オーブアイは、オリンパスが開発した4K・3D手術支援システムです。
  • 従来の手術顕微鏡では、医師が顕微鏡を直接覗き込みながら手術を行っていましたが、

    オーブアイでは、手術部位を4Kカメラで撮影し、大きな3Dモニターに映し出すことで、

    術者は専用の3Dメガネを使用して立体的な映像を確認しながら手術を行います。

特徴

  • 非常に精細な4K画質で、血管や神経まで鮮明に表示

  • 立体的に見える映像で、より繊細な操作が可能

  • 術者だけでなく、助手や看護師も同じ映像を共有できる

  • 医師が無理のない姿勢で手術を行えるため、長時間手術でも集中力を維持しやすい



「患者さんにとっては見えない部分だけど、医師がより正確でスムーズに手術を行えることが大きなメリットになるんだよ。」

ドクター

 

 

患者さんへのメリット

  • オーブアイは、医師だけでなく患者さんにも大きなメリットがあります。

    最新の医療技術が、手術の安全性や術後の回復に直結しているのです。

1. 手術の安全性が向上

  • 4K・3Dの高精細映像により、細い血管や神経までしっかりと確認できます。

    これにより、手術中の見落としが減り、より安全で確実な手術が可能になります。

2. より繊細で精密な手術が可能に

  • たとえば、0.5mmほどの細い血管をつなぐマイクロサージャリー(顕微鏡下手術)では、わずかなズレが手術の結果に大きく影響します。
  • オーブアイは立体的な映像で細部まで見えるため、より精密な手術が行え、結果として回復や合併症のリスク低減につながります

3. 長時間の手術でも医師が集中力を維持

  • 従来の顕微鏡では、医師が前かがみになり、長時間同じ姿勢で手術を行う必要がありました。

    そのため、体力的な負担が大きく、集中力が低下するリスクがありました。
  • オーブアイでは自然な姿勢で手術ができるため、医師が疲れにくく、最後まで高い精度を保ちながら手術を行えます

 

技術革新を支える企業の努力

  • オーブアイは、長年医療機器を開発してきたオリンパス社が、多くの医療現場の声を取り入れて作り上げた製品です。

    血管や神経といった繊細な組織を扱う分野では、医師だけでなく機器の性能も重要です。
    • 医療現場での課題を丁寧にヒアリング

    • 安全性と操作性を両立するための改良を継続

    • 教育・研究の現場にも活用できるような設計

  • こうした企業努力によって、患者さんにより安心で質の高い手術を提供できる環境が整っています。

「最新機器の導入は、医師だけでなく、患者さんにとっても安心できる未来につながるんだね。」
ドクター

 

実際のトレーニング風景

ORBEYEを用いた人工血管吻合トレーニングの様子。3Dメガネなしだと画像がブレている。

3Dメガネを装着すると、立体的な血管や縫合糸が鮮明に見える。

高精細な画像により、細い血管や縫合部位が鮮明に表示される。

 

まとめ:安心で質の高い手術のために

  • オーブアイは、医師がより正確で精密な手術を行うための強力なサポートツールです。

    このような最新機器の導入は、患者さんが安心して手術を受けられる環境づくりに直結しています。

 

 

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