頸椎症(けいついしょう)とは?
首は、医学的には頚部(けいぶ)と呼ばれます。
頚部を支えている骨は頸椎(けいつい)と呼ばれ、
頸椎は7つの骨によって構成されています。
頸椎の上には重い頭が乗っかっていますので、
頸椎には大きな負担がかかるのが想像できると思います。
この負担が長期間続くと、
頸椎と頸椎の間のクッション(椎間板:ついかんばん)がつぶれて
ヘルニアになったり、頸椎自体が変形して、頚部に痛みが生じるようになります。
これを頸椎症(けいついしょう)と呼びます。
ピンクが椎間板。神経(青)を圧迫すると痛みやしびれが生じます。
頸椎のすぐ隣には、神経の束があります。
脊髄(せきずい)と呼ばれる太い神経の束が圧迫されると
頚椎症性脊髄症 (けいついしょうせい せきずいしょう)
と呼ばれ、首の痛みだけでなく、手足の痛み・しびれ・麻痺や排泄の機能障害がでることがあります。
脊髄から腕にむかう神経の束が圧迫されると
頚椎症性神経根症 (けいついしょうせい しんけいこんしょう)
と呼ばれ、首の痛みだけでなく、手の痛み・しびれ・麻痺を認めます。
ポイント 頚椎症とは…
頸椎症の治療法
頚椎症は自然に軽快する病気ですが、
痛みが強い時は整形外科を受診して、下記の治療してもらいましょう。
温熱療法は首回りの血液循環をよくします。
頸椎症の痛みは
数日でとれる場合もあれば、数ヶ月以上かかる場合もあります。
神経が圧迫されている症状(しびれ、麻痺)が強く日常生活にも支障がでる場合は手術になります。
頸椎症を悪化させないための日常生活の注意点
① 下や上を向いたまま長時間の同じ姿勢を避ける。
(例)パソコン、スマホ、ゲーム、読書、編み物、草むしり、など。
② 首に重い物をかけない。重い物を持たない。
(例)リュック、首にかける楽器、重い荷物など。
③ 首に振動が加わることを避ける。
(例)振動のある乗り物に長時間乗らない(バス旅行など)、固い地面(コンクリートなど)の上をクッション性のない靴で長時間走らない。
④ 正しい姿勢を心がける。
(例)背筋を伸ばす。首に負担がかかる体勢でTVをみたり読書をしない。
⑤ 自分にあった枕(高さや固さ)で寝る。
⑥ 痛みが強い時は首に頚椎カラーや厚手のタオルなどを巻いて安静を保つ。