「ぎっくり腰!どうする?」
30代の健康な男性。
「重い荷物を持ち上げようとした瞬間、腰にイナズマのような激痛が走って、痛みで歩くのもつらいです…」
これがぎっくり腰の典型的なエピソードです。
その突然の激しい痛みから、欧米では「魔女の一撃」と呼ばれています。
腰に何らかの負担がかかったことにより、
腰椎周囲の筋肉や椎間関節に捻挫がおこることが原因とされています。
通常は、1〜2週間で自然に回復します。
「どんな時に病院を受診するの?」
ぎっくり腰であれば自然経過でよくなるので、病院受診は不要です。
…でも本当にギックリ腰なのか?不安になりますよね。
腰痛の原因が、実はギックリ腰ではなくて、重大な病気が潜んでいないか評価するために、
Red Flags(赤旗徴候)
の有無をチェックすることが大切になります。
腰痛の時、下記のRed Flagsの項目に1個も該当しなければ、
重大な病変が潜んでいる確率は0.04%といわれています。
ここで扱う「腰痛」は外傷(ぶつけたこと)による腰痛を省きます。
(1)まずRed Flagsの有無をチェックしましょう。
Red Flags+ → 赤信号 → 病院(整形外科)受診
(2)Red Flagsー の場合、次に神経根症状(下肢のしびれや動かしづらさ)がないかをチェックします。
神経根症状+ → 黄信号 → 病院(整形外科)受診
神経根症状− → 青信号 → 病院受診は不要
※ ちなみにぎっくり腰は青信号に属します。
日本整形外科学会,日本腰痛学会監修.腰痛診療ガイドライン2012.
「きっくり腰になった時の自宅での注意点は?」
【日常生活】
● 基本的には安静が重要です。痛めた当日に動きすぎると、翌日痛みで起き上がれなくなります。
● ぎっくり腰では仰向けで膝を伸ばして寝るのが困難なため、膝の下にクッションなどを挟んで膝を90°に曲げた状態で寝ると楽です。横向きや抱き枕もよいです。
● 温めたり冷やしたりは楽になるほうを選択すればよいのですが、通常、急性期は保冷材などで患部を冷やした方がよいです。長時間の入浴は、ズキズキが悪化することが多いです。
【痛み止め】
痛み止めや湿布は薬局で購入できます。使用した方が楽になります。あまりに痛みが強い時は病院受診をして、坐薬など処方してもらいましょう。
【腰痛ベルト・コルセット】
患部の安静を保つためにとても有効です。ぎっくり腰は繰り返しますので、既往のある人は自宅に準備しておくことをオススメします。