あやこ新型コロナワクチンが接種できない条件は?
ポイント
新型コロナワクチンの接種×
- 発熱 ≧37.5
- 重篤な急性疾患
- PEGでアナフィラキシー歴+
- ドクターストップ
- 全身麻酔手術の前後
新型コロナ(COVID-19)のワクチン接種が、日本でも高齢者を中心に急速に進んでいます(2021年6月初旬現在)。
ワクチン接種×の条件
「新型コロナワクチンが接種できない条件」
に関して、患者さんからよく聞かれるので、まとめてみました。
(1) 明らかに発熱している場合(≧ 37.5°)
(2) 重篤な急性疾患にかかっている
- 「重篤な急性疾患」の場合、多くは入院治療をしている可能性が高いです。ご自身が「重篤な急性疾患」に該当するかわからない場合は、主治医の先生に確認をしましょう。受診までしなくても病院やクリニックの外来窓口で教えてくれる場合もあります。急性期を脱していれば、接種OKです。
(3) ワクチンに含まれている成分で重度のアレルギー症状あり
- 重度のアレルギー症状で有名なのがアナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショック歴があるから新型コロナワクチン接種ができないわけではなく、何が原因でアナフィラキシーになったかが重要です。
- 新型コロナワクチンにはポリエチレングリコール(PEG)という成分が含まれています。そのためPEGにアナフィラキシー歴があれば接種×ということになります。PEGは化粧品に含まれていることがあり、別名マクロゴールとも呼ばれ、下剤や軟膏基材など様々な医薬品にも含まれています。
- また、PEGと親戚の(医学的に言うと交差反応性が懸念されている)ポリソルベートにたいするアナフィラキシー歴がある患者さんも接種は×になります。ポリソルベートを含んでいる既に承認されたワクチンは、複数存在します。
- 1回目の新型コロナワクチンでアナフィラキシーショックになった人は、もちろん2回目の接種は×です。
(4) 医師が予防接種を行うことが不適当と判断した人
(5) 全身麻酔手術の前後
- 結論から言いますと、全身麻酔手術前後のワクチン接種に関しては「何日間空けなくてはいけない」という明確な基準はありません。ただし、全身麻酔手術とワクチン接種を同時におこなうと副反応がでたときにどちらが原因かわからなくなってしまうので、全身麻酔手術とワクチン接種はずらすことが推奨されています。
- (a) ワクチン接種から全身麻酔手術までの期間、(b) 全身麻酔手術後からワクチン接種までの期間は、病院によって若干の違いがあります。(a)は2〜4週、(b)は1〜4週で設定している病院が多いです。(a)(b)ともに1ヶ月あければまず問題ないです。全身麻酔手術を受ける予定の患者さんは、コロナワクチン接種の時期に関して、病院のホームページで確認するか、主治医の先生に相談するようにしましょう。
- なお、上記は待機手術を想定しています。緊急手術を要する場合は上記の限りではありません。
- 日本麻酔科学会 mRNACOVID-19ワクチン接種と手術時期について